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平成15年 (2003年)
3月


久恒啓一  図解で考える40歳からのライフデザイン:10年単位の人生計画の立て方(講談社+α新書, 2003)

不惑の年になるからこの本を読んだのではないのです。たまたま,です。

で,人生計画といえば,15年前くらいにベストセラーとなった井上富雄氏の『ライフワークの見つけ方』。この著者と同じように,私もこの本に衝撃を受け,40歳までの計画を立てたことがあります。著者と同様,ほぼ考えていた通りにここまできたと思います(東南アジアに行くことでさえ10年前に決めていたとおり,と書いたら驚きます?)。この辺りについては,機会を改めて話しましょう。これまた,著者と同様,40歳以降の予定がない…!

この著書は,図解を使って人生計画を立ててみよう,という本です。30分もあれば読めます。

皆さんも(私も)今後の人生計画を立ててみませんか。


フランクリン・コヴィー・ジャパン編著  人生は手帳で変わる(キングヘアー出版, 2002)

第4世代手帳と呼ばれるフランクリン・プランナーについての意義と使用法についての解説書です。マニュアルではありません。「緊急な出来事」をコントロールしたい,「最も大切なこと」を実現したいと思っている人,などなど,要するにベストセラー『7つの習慣』をベースにした第4世代手帳のガイダンスです。内容の詳細はこちらで。

この手帳版はデジタル化もされていて,オンライン版や PDA 版も出ています (https://planner.franklincovey.co.jp/)。PDA 版を試用してみましたが,結構いけそうです。このサイトのメインテーマである「自分のやりたいことをやるために」を実現するためのツールの1つとして,もう少し試してみるつもりです。


野村正樹  「絵解き」で考え,伝える96の技術(中経出版, 2002)

今,ビジネスの世界で流行なのが「図解」。言葉ではなく図で説明やプレゼンテーションを行う方がよい,というわけです。これは,医学関係の発表では以前から比較的よく行われてきたことではあります(最近,文字だけのスライドが増えていますが…)。

著者は,最近の「図解」の行き過ぎを諫めています。PowerPoint などを使ってやるプレゼンテーションが複雑化していて,わかりやすさが失われているというのですね。最近の学会発表等を見ていると,わかるような気がします(自戒!)。代わって,著者は「絵解き」という手法を用いることを提唱しています。わかりやすい図表を使いましょう,ということです。その一方で,その限界にも言及していることは評価します(アイディアをふくらませるのには向かない,と)。

「絵解き」をマスターすると,7つの仕事力と7つのリーダーシップの力が身に付く,と説いています。詳細は,御一読下さい。


ボナ植木  書斎がいらないマジック整理術(講談社+α新書, 2002)

著書はマジシャン。手品師らしく(?),発想の転換とも言うべき,従来の整理術とは異なったアイディアをいろいろと披露しています。特に,著者自身が「マジック・トランク・デスク (MTD)」と呼ぶ "モバイルデスク" の発想には参りました。それを実際に作って,使用しているのがすごい。

参考になるアイディアがあるかと思います。整理に困っている人は,是非一読を。

著者のウェブサイトも参考にしてみて下さい。


大平 健  ニコマコス流頭脳ビジネス学(岩波書店, 2001)

従来のビジネス書とはかなり異なった視点(オリジナリティがあります)からのビジネス指南書です。が,その基本は他の分野にも応用可能です。自分の頭の中にあることを「アイディア・ストック」と呼ばれるメモ(ワープロに箇条書きするだけ)に残し,あとはそれを利用するだけ,という,極めて単純明快ですが,奥の深いメッセージです。わかりやすくするためか,表現が少し不足している気がしますが,ま,それもこの本の愛嬌というところでしょうか。少なくとも,下の後発本よりはいいかと思います。

私自身はこの方法を使う予定はありません。そういうメモの趣旨は理解し,別のアプリケーションでの応用を始めていますから。アイディアは参照させていただきます。


大平 健  ニコマコス流アタマを良くするパソコン術(岩波書店, 2002)

あまり気張らずにパソコンと付き合いましょう,古いパソコンでも十分ですよ,ワープロしか使いませんから,というお話。一番に言いたいことは,パソコンにメモするのは自分の考えのみ,他人のデータや言ったこと書いたことは不要。自分がどう感じたか考えたかをアウトラインで記載すること,それを応用して,オリジナルの作品を作りましょう,ということでしょう。

これって,結構わかっているようで難しいんですよ。でも,とても大切なことだと思います。すべての答は自分の頭の中にあるんですから。それをどうやって表に吐き出して,形にするか,ということが大事なのですね。

著者は精神神経科の先生です。


杉山知之  デジタル書斎の知的活用術(岩波アクティブ新書, 2003)

全体の内容自体には目新しさはないのですが,おもしろい活用法が書かれていました。Google のイメージ検索。これは使い方によっては,役立つものなのですね。写真が必要な場合には,使えそうです。今度いろいろと試してみましょう。

カナダ発の「インパティカ」というソフトがあるそうです。PowerPoint を圧縮し,website 上で動かせるとか。これも試してみましょうね(Windows だけでしょうね,きっと)


高井伸夫  朝10時までに仕事は片づける─モーニングマネージメントすすめ─(かんき出版, 2003)

衝撃的なタイトルですが,要するに,朝で一仕事(1日の仕事の段取りや指示)を終えてあとは実行あるのみ,ということなんです。朝の時間活用の有効性を説いた本です。

朝の時間を利用してきた(と思う)私には納得のいくもので,かつ,最近朝をさぼっている私には耳の痛い内容でした。

仕事の生産性と人間らしい生き方を両立させるために,朝を有効活用する。長年の悪しきビジネススタイルを打破し,新しいビジネス&ライフスタイルを確立する。

とは,私と意見が同じだし,またまた,朝のやる気を起こしてくれる本でした。そして,このサイト愛読者の方々にはまさにピッタリの本です。


太田 肇  求む仕事人!さよなら組織人(日経ビジネス人文庫, 2003)

私の組織に関する提言と同じような表現が,この本の中には記述されていました。

個人が組織の一員となった時点で,組織のと個人の目的を統合しようとするこのような伝統的考え方を,私は「直接統合」と呼んでいる。(p.186) …… 組織そのものを絶対視せず,仕事をするための手段と位置づけている。仕事と組織に対するこのような関わり方を認め,それを組織の利益に結びつけようというのが「間接統合」という考え方である。(p.187)

後者は,私の言うところの「ゆるやかなネットワーク結合」というものに該当しますね。「個人の能力を最大限に発揮させることによって,組織は大きな貢献を引き出すことができる」というところがひとつのポイント。

もうひとつのポイントは,リーダー論。

実力とセルフコントロール能力を備えた仕事人であればあるほど,仕事も人間関係も積極的に推進しようとするリーダーは必要がない。そればかりか,過剰な干渉となって仕事の妨げになる場合も少なくない。とくに管理者自身が典型的な組織人である場合,効果的なリーダーシップの名を借りて,自己の存在を誇示するための過剰な管理が行われる危険性がある。(p.210)

一定の専門的能力とセルフコントロールの能力を備えていて,高次の要求に動機づけられている仕事人(これが条件です:筆者注)に対しては,仕事の面でも人間関係の面でも過度の干渉を控えるリーダーシップが有効ということになる。すなわち仕事人が求めているのは「俺についてこい」というような勇ましいリーダーや過度にお節介なリーダーではなく,彼らが自発的に力を発揮するように仕向けるリーダーなのである。(p.211)

つまり,仕事をする人にとっても,組織にとっても,各人は「プロフェッショナル」だという認識をどの程度持つことができるかが問われているのだと思います。


本郷隼人,大石まさき  Mac OS X で自宅サーバー(D-ART, 2002)

私の「デジタル計画」(?) の大きな柱のひとつに,自宅サーバーを立てる,というのがあります。一時はあきらめモードでしたが,この本を読んだら,再びやる気が起きてきました。"Mac OS X +ブロードバンド" ユーザー+自宅サーバーを考えている人 必見の一冊といっても過言ではありません。素人にも非常に理解しやすい記述で,正直言って,これまで読んだ自宅サーバー関連解説書の中では絶品です。

自宅サーバーを立てる意味は? それは便利だから(のはず)です。私がサーバーを立てたら,その意義も解説できるかと思います。暇になったら,トライしてみます(いつになるかわかりませんが)。


坂戸健司  メモの技術─頭より先に手が動く─(すばる舎, 2002)

メモにもいろいろな目的がありますね。単なる覚え書きからアイディアなど思考過程の記述まで。ところが,メモというのは簡単そうに見えてそうではない。特に,メモを取った後のそれの活用となると…。

で,この本ですが,そのようにメモの活用がうまくできていない人のためのものです。自分に応用可能なヒントが散らばってます。ただ,デジタルメモに関する記述がないのが寂しい(本人が使っていないようですから,しょうがありません)。

メモ帳は何冊も持ってはいけない,という一言,私にとっては耳の痛いお言葉です。デジタルメモを探し歩いて,いくつものものを使ってますから。

というわけで,メモの効用と利用について,参考になる一冊。私のメモ利用については,後日述べる機会もあるかと思います。


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