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しんちゃんクリニック2

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平成15年 (2003年)
3月 


ステファン・レクトシャッフェン  タイムシフティング(日経ビジネス文庫,2001)★★★★

1997年に出た単行本の文庫版。以前より気にはなっていましたが,ようやく読む機会に恵まれました。

「今を生きる」というひとこと,非常に反省させられる言葉でした。多くの人は未来と過去を追い続けている,というんですね。私の場合も全くそのとおりです。時間貧乏というやつですね。効率的な機器ができたため,「直線の時間」に生きるようになったわけです。

自然のリズムをシフトしてみましょうよ,というのが本の主旨。「円の時間」を生きてみようと。そうすると,生活のスピードとリズムをコントロールできるようになる。そのとおりだと思います。コントロールされるのではなく,自分自身がコントロールできるようにならねばならないのですね。

久々に一読価値のある本でした。


野口悠紀雄  365日の「超」知的生活(三笠書房,1998)★★

「押し出しファイリング」「『超』整理手帳」等で著名人(本職の経済学でも有名ですが)。著者の仕事のやり方から情報活用までをいろいろと書いてある本です。

こういう本からは,自分にとって参考になる部分だけを学べばOKなのですね。いろいろと参考になることはありますよ。私も同じ大学人ですから。

ちなみに,「超」何とか,が流行ですが,それを流行らせたのが著者のベストセラー『「超」整理法』(中公新書,1993)です。私も出た早々にすぐに飛びついて読みました。今度文庫本が出るらしいです(これも買ってみます)。


アルバート=ラズロ・バラバシ  新ネットワーク思考〜世界のしくみを読み解く〜(NHK出版,2002)★★

インターネット社会はもちろんのこと,遺伝子の発現,HIVやウイルスの流行(今のSARSも)やコンピュータウイルスの流行,ほとんどの組織,現代ビジネス,世界経済・社会,そしてあのアルカイダにいたるまで,ネットワークという概念を理解しなければ,そのすべてのしくみは読み解けない時代になっているというのがその主旨。

キーワードは「ハブ」と「リンク」。最も多くの点をもつ点「ハブ」が自己組織化するのがネットワークの鍵であり,ゆえにアキレス腱となる,と著者は言います。なるほどね,言われてみれば,そのとおりです。そのハブを抑えない限り,ダメ。ただ,1つのハブをたたいても,ハブをいくつか持つ場合には,そのネットワークは存続可能で,潰すことができない。

組織をみても,他の組織とつながっているのは,トップばかりではなく,下の段階で「ハブ」の役割を果たす人間ですね。その「ハブ」は他の組織の「ハブ」とリンクしている。しかも,いくつかの「ハブ」とです。そうなると,上野持っている情報を下に伝えていくという上下伝達という従来の組織の在り方では,機敏に対応できるはずがないです。ハブを介して,ありとあらゆる情報が入ってきており,下は迅速にもっと多くの情報を持っているのですから。


アラン・ピーズ,バーバラ・ピーズ  話を聞かない男,地図が読めない女(主婦の友社,2002)★★★

ベストセラーになった同名書の文庫版。新しいデータを加えた改訂増補版です。私はベストセラーと呼ばれる本をほとんど読むことはないのですが,飛行機の中で読む本がなくなって空港で購入してしまいました。

脳の分析,ホルモンの科学など,なかなかの出来映えだと思います。男性も女性も一度は読んでみるのもいいかもしれません。

私は以前から「男女同じ扱い」ということには非常に疑問を抱いていました。「男と女は肉体的にも生理的にも精神的にも異なる」のだから,扱いの違いがそれなり出てくるのはしょうがないんじゃないかと思っていました。この本を読むと,それが正しいことだとよくわかります。

個人的には,指摘された内容に合致している点が多くあり,納得と反省した次第ですが…。


西村 晃  やっぱり使える「ポスト・イット」!! 速読速解の技術(大和出版,2002)★★

ポスト・イット利用の名手,と言えば,著者の西村氏。ポスト・イットを利用しての情報整理,アウトプットに関する著書が多数ありますが,今回は速読への応用編です。

本のポイントにポスト・イットを貼付するだけではなく,メモる,そしてそれらをまとめて紙に貼付すると,本のアウトラインの完成。それをアウトプットへと利用していく,と。

これまた簡単に読めますので,興味のある方はどうぞ。

黒川康正  驚異の時間革命77のヒント(成美文庫,2002)★★

弁護士,公認会計士,通訳の3つの資格を持つ著者。その時間の使い方の極意が書かれた本です(タイトルがちょっと大げさですが)。

簡単に言えば,要は,人生も仕事も時間の使い方ひとつで決まる,ということでしょうか。興味のある方は御一読を。簡単に読めますので。


松本道弘  なぜ TIME が読めないのか─TIME 見出し速読術(小学館,2002)★★★

知る人ぞ知る松本氏の著作です。TIME を読むに当たっての心構えと気合いを問うとともに,TIME の見出しで内容の80%が理解できるということを証明しようとしています。

氏によると,TIME を読みたいと思った人が1万人いれば,実際にそれを始めるのは20%の2,000人(英語道3級)。うち,1,600人が脱落し,残り20%の400人は英語と情報を切り離さなかった人(英語道2級)。うち,購読を続けていく人は,20%の80名(英語道1級)。しかし,英検1級でも継続していくことができず,80%が脱落。残り20%の16名が TIME を待ち遠しく感じるようになる(英語道初段)。しかし,仕事が多忙になると TIME が離れていくようになり,残るのは2〜3名。

私が大学に入った頃,出会ったのが氏のベストセラー「速読の英語」でした。この本を読んで「探し求めていたのはこれだ!」と興奮したことをよく覚えています。以来,氏のファンになってしまいました。

さて,TIME を始めてみますか!?


P・F・ドラッカー  ネクスト・ソサイエティ─歴史が見たことのない未来がはじまる─(ダイヤモンド社,2002)★★★

著者はビジネス界に影響力を与えてきた著明人。「急激な変化と乱気流の時代にあっては,たんなる対応のうまさでは成功を望みえない。」と言い切り,大きな流れそのものをつかみ,価値,使命,ビジョンを確立して,組織も個人も変革していかなければ生き残れない,と喝破しています。そして,「組織としての個の確立」が必須であり,それがトップマネジメントの最も重要な仕事だと。

新しい時代を生き抜いていくために,一読する価値のある1冊だと思います。

(17年前くらいにこの人の本を読んでその先見の眼にびっくりしたという記憶があります。もう,かなり高齢ですが,まだこんな本を書く気力が残っているんですね。)

佐藤 寛  山岡鉄舟 幕末・維新の仕事人(光文社新書,2002)★★★

幕末・維新の有名人は数多くいますが,山岡鉄舟なる人物は知っている人は少ないかと思います。私は名前だけは聞いたことがありましたが,何をした人物だかさっぱりわかりませんでした。しかし,この本を読む限り,この男のやった仕事もさることながら,人間的魅力が大きいなと思いました。というより,大変謙虚な人ですね。

こういう人物の功績を正しく評価したい,という著者の姿勢は評価に値します。このような人物が表に出てくることはいいことでしょう。


リズ・ダベンポート  気がつくと机がぐちゃぐちゃになっているあなたへ(草思社,2002)★★★

新年度早々御紹介するのは,皆さんも(?)私もちょっとウチアタイ(沖縄方言)する表題の本。新年度ですから,こういう本を読むのも必要でしょう(よくこういう本を読んでますが)。

机の上って,やっぱりきれいじゃなきゃダメですよねえ。でも,著者が言うには,普通の机じゃダメのようですよ。大きな机,しかもU字形机が理想らしいです。でなければ,L字形机。日本のオフィスじゃ無理ですよね。

で,私は,これを読んで少し考えるところがありまして,自分のオフィスの配置換えをしようとたくらんでいます(6ヶ月に1回のペースで模様替えしてます)。

超人中谷彰宏氏が言うには,何事も「即断即決・即行動」でなければダメだそうです。この本でもそういってます。特に,書類の整理に関しては絶対です。(ちなみに,中谷氏は恐ろしいペースで仕事をしています)

いったん,きれいにしたものを維持するのにエネルギーが必要なのですね。何事も,です。


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