医療はサービス業か?


『週刊医学会新聞』というのがあります。9月29日発行の最新号(看護版)に次のような記事がありました。
個人の献身と悔悟からシステムによる質保証・質の改善へ(阿部俊子, 飯塚悦功,水流聡子,佐藤エキ子)
 http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2003dir/n2553dir/n2553_02.htm#00

いいことが書かれていると思います。輸液ポンプを中央材料室で管理して品質管理を行う,などの事例は,参考になります。そういうシステムを作り上げていくことが重要,という提案にも同意します。個人の献身と努力に頼る時代ではない,というのは明白です。
が,この記事の中に繰り返し出てくる「医療はサービス業である」という文句には,簡単には同意できません。本当に医療はサービス業なのでしょうか。
たしかに,サービス業の側面もないことはありません。患者さん(今は「様」を付けるらしい。これがサービス業と考えている人とそうでない人を区別する指標かもしれません)のために時間とエネルギーを費やすのですから。では,患者さんは「お客さん」なのか!?
サービス業と考える人々にとってはお客さんなんでしょうねえ。見方を変えると「金づる」!?(ひねくれ者と反論がありそうですが)。そういう考えの人が増えてくると,客も「金を払っているんだから,ちゃんと診ろよ」という態度になる。やがて「半額セールはやらねえのか?」となってくる...。
医療というのは,そういう類のものではないでしょう。医療は医療従事者と患者さんとの共同作業で作り上げていくもの,というのが私の考え。それをやっていくなかで,その記事に書かれているような問題解決策が出てくるのです。医療の質がサービスで決まるのであれば,金をかけて媚びを売った者の勝ちですね。
皆さんはどう思いますか(反論を期待して,過激に書いてみました)。

Posted: 金 - 10月 3, 2003 at 11:48 åflëO           たこ部屋


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