加藤良平  ソニーのDNAを受けついだ11人


ソニー製品といえば,今や一流ブランド。その製品のデザインや新規製品アイディアには目を見張るものがありますね。Walkman, VEGA, VAIO, CLIE, etc. いずれの製品アイディアやデザインは,他社が真似るほどです。そんな会社に育ち,退職後は(必ずしも定年退職ではない)別会社や分野で活躍する11人に話を聞いています。

ソニーの創業者といえば,技術を取り仕切った井深大と経営を取り仕切った盛田昭夫の著明なお二人。その盛田氏は会長時代,新入社員にこう挨拶していたといいます。
「入ったからには全力で働いてほしい。だが,ソニーという会社で働くことが自分の人生にとってプラスにならないと判断したなら,遠慮することはない,より良い生き方をいつでも見つけてほしい。」
実際,中途退社や中途採用は当たり前のように行われていたという。それがまた,新しい風を吹き込み,組織を活性化していたようです。
仕事に関しては,先輩も後輩もなかったとのこと。間違っていれば,それが社長であろうが上司であろうが,相手が誰であっても指摘する社風。
「つまらない仕事は無理してやる必要はない。誰かやりたい奴がやる。その代わり,自分が黙っていて仕事が来ることはないから,そのつもりで。」周りからそのように言われる社風。
今の時代ならわからないでもありませんが,30年以上も前から,そのような個性的な会社を作り上げ,その中から優秀な人材を送り出していったのがソニーだったわけです。
一見くだらないと思われるような製品にも金を注ぐのだそうです,大多数が反対しても上司に面白い製品と説得ができれば製品化に持っていけることもあるそうです。その代表が PlayStation であり AIBO である,といいますから,恐ろしい会社です。
そういう会社の DNA はずっと受け継がれていくのですね。皆さんの組織に伝わる DNA はどのようなものでしょうか。
【Dr. SHIN オススメ度 ★★★☆☆ +新しい組織のあり方を考えている人】
集英社インターナショナル, 2003, p237, ISBN4-7976-7087-8, ¥1,500

※貸し出し(知人のみ)・売却可能です。お読みになりたい方は御一報下さい。

Posted: 日 - 10月 5, 2003 at 05:11 åflå„           たこ部屋


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