ディベート「感染症 備えは万全か」


NHK BS 1 の "BS ディベートアワーで「感染症 備えは万全か」が放映されます。

2月のテーマ「感染症 備えは万全か」
放送:2月29日(日)22:00~23:49
http://www.nhk.or.jp/bsdebate/0402/index.html

私の知人であるT氏も登場します。本人は謙遜していますが、なかなかの討論者です。乞うご期待!
一般の方の参加も受け付けているようです。

今や、小学校からディベート教育がなされる中、日本にも少しずつディベートが根付き始めているようです。
ディベートはルールのある討論です。司会者がいて、あるテーマについて、賛成意見と反対意見の論者が必要です。そして、審判も要ります(最後に討論の決着を付けます)。
原則は「公平」です。持ち時間は公平、司会者も公平でなければなりません。論者は自分の意見を主張し、相手の意見(人格ではありません)に反論しなければなりません。ですから、ここが重要なのですが、反論するために相手の話も聞かねばならない!(言い放しは印象悪し → 減点)。感情濾出も減点です。終わった後は、握手して、お互いの健闘を讃え合う(それがなければただの口論!?)。
楽しいゲームじゃないですか。時には、賛成と反対の立場を入れ替えてディベートする。そうすると、相手の立場がよくわかってきます。相互理解のための手段としては、非常に最適です。
ディベートについては、多くの書籍が出ているので、そちらを参照していただくことにして。ここではひとこと。

大学や学会という学問の場にこそ、ディベートを取り入れるべきです。
賛成・反対の立場に立って、それぞれが意見を闘わせる。どっちの意見がより事実(data)や根拠(warrant)に基づいた論理展開を行い、聴衆者により説得力があったのか。そういう討論(闘論)を行えば、聞く側にとって(討論した方はもっと)勉強になります。

で、上の番組、誰が司会するんでしょう。見たことがないのでわかりませんが、ディベートというからには、ルールがなければなりません。ルールがあるということは、公平な審判が必要ということです。
となれば、このテーマはディベートには全くそぐわないものです。ディベートはより具体的なテーマについて討議するものです。例えば「日本は MMR ワクチン接種を再開すべきである、是か非か」「HIV 抗体検査を無料実施すべし、是か非か」など。「感染症 備えは万全か」といったら、具体的にはどんな感染症に対するどのような備えのことを指しているのか。曖昧すぎて、中身のある討論になるでしょうか。
某テレビ局の「朝まで生テレビ」みたいに、参加者が言いっぱなし、暴言OK、というようにならないことを期待しています。

Posted: 水 - 1月 28, 2004 at 07:59 åflëO           たこ部屋


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