PowerBook2400c から Libretto へと乗り換えた理由

(平成13年7月24日)


平成13年7月,2年間愛用してきたアップルの PowerBook2400c (PB2400c) を売り払い,東芝の Libretto へと乗り換えた。なぜ,Libretto なのか,なぜ,アップルの iBook を選択しなかったのか。

私の場合,机の前に落ち着いて物を考えながら座っていることが少ない。病棟,同僚,外部からの電話,他診療科からの相談,ボスからの呼び出し,外の病院での診療,相次ぐ出張などに忙殺されているためである。逆に,処理事項は膨大に増えてしまった。論文や原稿はもちろんのこと,データ処理,臨床試験に関する書類作成,研究物品や費用の請求書,研修医や学生向けの講義用プリント,どうでもいいような(?)事務書類(これが一番増えた)など,ほとんどが机上やパソコンを用いて処理しなければならないばかりだ。このサイトのテキスト原稿もあったりする…。そうなってくると,当然のことのように,どこにいてもテキスト処理やデータ処理ができるような必要性に迫られてきた。私の場合,パソコンがなければ仕事にならないので,持ち歩ける小型ノートパソコンは必需品となった。

長年にわたるマッキントッシュユーザーの私は,当然のように PB2400c を鞄の中に詰め込んで運び歩いていたとはいえ,PB2400c で満足していたかというと,そうではない。何しろ,本体が大きいし(分厚い!),起動が遅いし。そして,なんと言っても「重い」のである(1.45kg のB5サイズ Panasonic Let'snote でさえも大きくて重いと思っていたくらいだから,2.2kg の PB2400c は何をかいわんや)。
一時期,Windowsサブノートの「軽さ」に惹かれ(騙され?),Let'snote を所有したこともあったが,Windows 98 の呆れるほどの操作性の貧弱さに,1年弱でその使用を放棄せざるをえなかった。ミニノートという選択肢もあったが,Windows の使い勝手の悪さに加え,画面のサイズが小さい(表示範囲が極端に狭いし,画質が悪い),という別の問題も加わるため,その購入は論外であった(実際,中古の Mobile Gear を入手し,試用してみたが,即座に譲り渡したという実績もある!)。

PB2400c を使わざるを得なかった最大の理由は,データの互換性にあった。私がメインマシンで使用したいアプリケーションは,サブマシンでも使用できねばならない。自分の使いたいアプリケーションが使用できないときのストレスは耐えがたいものがあるのだ。(私のメインマシンは,今のところは絶対に Macintosh でなければダメなのだ)

しかし,OS やアプリケーションの度重なるバージョンアップや,すでに開発が中止され,それに対応できないアプリケーションの存在が問題となった。つまり,アプリケーションが立ち上がらなければ,過去のデータ(資産)が活用できなくなってしまうのである。その危機感から,これまでの考えを一部改めることにした。大切なデータはOSやアプリケーションにとらわれずに,いつでも使用できるような汎用性がなくてはならないのだ。となると,汎用性がもっとも高いファイル形式は「テキスト形式」である。その他,HTML形式,PDF形式,JPEG形式は,アプリケーションさえ準備できれば,OSに関係なく(願わくは時代の変遷を経ても)ファイルを読み込める,準標準形式である。ということで,可能な限りこれらの書式でデータを保存し,再活用できることを考えた。

ということであれば,持ち運びするサブマシンを Macintosh と限定しなくてもよい。サブノートと呼ばれるくせにしっかりと重量感のある PB2400c や New iBook などはその対象から除外され,Windows の軽いマシンを選択できるのである。上で述べたように,ファイルの互換性を保つことができるし,どうしても市販のアプリケーションでの保存が不可欠な場合には,MacOS と Windows の両者で活用できるようなアプリ(例えば Microsoft Office や FileMaker Pro など)を使用すればいいだけのことである。

というわけで,上の目的にかなうような軽くて性能のよい Windows マシンを買うことにした。選択対象となったのが,東芝の Libretto L1,Sony の VAIO C1,そして富士通の BIBLO LOOX である。いずれも重量は 1kg 前後。店に行って見比べてみると,Libretto の解像度の良さとキーボードの大きさが,明らかに他を勝っていた。Libretto は,表示画面やキーボードの小ささというミニノートの欠点を見事に克服している! ということで,即購入と相成ったわけ。

この文章も外出先での余裕のある時間を見つけて Libretto で書いているわけだが(アプリはエディタを使用),文章を書く程度であれば,まったく申し分のないマシンである(逆に,よほど切羽詰らない限りはこのマシンでスライドを作成しようとは思わない…でもやることになるのかな…そんなことにならないように普段から頑張ろう…)。画面の明るさも調整でき,バッテリー消費を節約することももちろん可能である(もっとも,画面を暗くすると目の疲労が激しいので,私はある程度の画面の明るさを保つようにしている。バッテリー消費を防ぐために視力低下を防げなければ意味がないではないか)

唯一,困っているデータの互換性は,電子メールである。Mac と Windows でファイルの互換性があるメーラーが存在しないのである。一応の対策案はあることはあるのだけれど…。電子メールは私のもっとも重要なキラーアプリケーション。もし,両者間で互換性のあるアプリがあれば,即座に乗り換えます!(そのようなアプリを知っている方,教えてください)。

私のその他の活用法については,また別の機会に紹介したい。